第5話 深緑の鋼狼


2016年 7月―


 ここは弦十郎の研究所にあるドッグ。そこのドッグに今、4台のビークルが収められていた。

『・・・・・・マジなのか・・・それ・・・?』

 何の前触れもなく、突然その中の青い車が途切れ途切れに「喋った」。

 別に2016年の現在、喋る機能を持つ車が珍しいわけではない。しかし、喋るとは言っても機械的なナビゲーターだけであり、ましてや人が何も言ってないのに話す事は無い。だが今の車は間違い無く、「意思」を持って話していた。

『ああ、間違い無い。確かに奴は「熾天剣のエイジス」と名乗った・・・銀河広しと言えど、あの異名を持つのは奴だけだ。』

 別の1台、赤く塗られた車が返事をする。

『別の誰かがその名前を騙った、という可能性は無いのか?』
 
赤い車に向かって、自衛軍仕様のダークグリーンで塗装された大型トレーラーが言う。

『多分無いだろう。あの「組織」の1員を騙ってまで生きようとする奴などいないさ。』

『組織・・・・「邪星帝国ギルナーグ」、でありますか・・・。』

 残った1台のドリルタンクが口にする。その呟きを聞いて、初めに口を開いた青いスポ−ツカーが言う。そう、彼らは宇宙警備連邦の戦士―ゼクサー達だ。

『上の連中も胸クソ悪いぜ。中枢組織、てのは聞いてたが、まさか奴らが相手だなんてよ・・・。』

『確かに、我々では勝ち目は無い・・・・。』

悔しそうにトレーラーが言う。

『悔しいが事実だ。これが機甲部隊なら話は別だが、我々ではこの差は如何ともし難い。この星に来てから合体ができるようになったが、それでも・・・・。』

 ふと何か思い出したように赤い車―ゼクサーが言う。

『機甲部隊、か・・・・そう言えばシャドーファングは無事なのだろうか?』
 
ゼクサーは、宇宙空間で離れ離れになってしまった残るもう1人の仲間に思いを巡らせる。すると青い車―マッハガンナーが少し苦々しげに呟いた。

『別に平気なんじゃねーのか?何せ天下の機甲部隊。それも第0特殊部隊ときたもんだ。エリート様は出来が違うんだろうよ。』

 それを聞いてゼクサーが嗜める。

『マッハガンナー、おまえの気持ちがわからなくも無いが、いい加減彼に突っかかるのはやめるんだ。私達は仲間だろう?』

 トレーラーと融合しているビッグガンナーもそれに賛同する。

『ゼクサーの言うとおりだ。今俺達は部隊の違いからのいがみ合いなんてしてる場合じゃない。仲間は1人でも多いほうがいい。』

『へーへー。仲間、ねぇ・・・・。』

 気の無いそぶりでマッハガンナーが呟く。シャドーファング、彼はゼクサー達が現在所属している辺境銀河警備隊とは違う、第0特殊機甲部隊に本来は所属している。その彼がなぜ別部隊にいるか?それは別の機会に話そう。

『話は変わるけどよ、お嬢達はもう着いたのかね?』

 マッハガンナーが別の話題をきりだした。お嬢、それは彼らガンナーズのマスターになった羽賀 麗佳の事である。

『そろそろ到着してもいい時間帯だろう。ツバサ達、楽しんでくるといいな。』

 ゼクサーが言う。

『しかし、彼らがいない時に敵が攻めてきたらどうするのでありますか?彼ら
無しでは合体できません・・・・。』

 少々不安げにグランガンナーが言う。それにはビッグガンナーが答えた。

『何言ってる、いざとなったら俺達が死守するしかないんだ。連中と少しでも渡り合える戦力は俺たちしか居ない。なのにお前が気弱になってどうする?』

『そうだぞグランガンナー。それに前回、エイジスにかなり深手を負わせたからな。しばらくは襲ってこないだろう。』

『で・・・・ですが、エイジス以外の、新しい敵が来たら・・・』

 最後まで言わせずにマッッハガンナーが言った。

『グダグダうるせーぞグラン!この星の連中にも落ちこぼれって言われたいのか?』

 マッハガンナーの一喝にそれっきり黙り込むグランガンナー。

『・・・・落ちこぼれ。か・・・・・・。』

 ゼクサーが自嘲気味に呟いた。





                                      2
同日―

 世間一般では「夏休み」と呼ばれるこの時期、空港は海外へ旅行する家族等で満たされる。

そしてその中、ご多分に漏れず一機の旅客機が日本を旅立っていた。中にこの星の運命を担う人間を乗せて――――――。


ポーン♪

『アテンション・プリーズ。間もなく当機は、イギリス、ヒースロー空港へ着陸いたします。危険ですのでベルトを・・・・』

 飛行機の中で、到着を告げるアナウンスが繰り返し響く。そしてその10分後、遠く日本からここ、青空が眩しいイギリスのヒースロー空港へ一機の旅客機が降りた。そして空港と飛行機とを繋ぐ通路がドッキングする。

「ふぁ〜、やっと着いた〜!」

飛行機から空港へと降りた少年が開口1番に言う。

「流石にちょっとオシリが痛いわ・・・・。」

 続いて出てきたのは長身、ショートカットの女性だった。その後ろをポニーテールの少女と白い髭を蓄えた老人がついてくる。

「もう、翔(つばさ)君も纏(まつり)さんもしっかりしてよね。」

 ちょっと呆れ気味に少女が言う。

「初めての飛行機でこんなに長い間乗ってたんだもん。疲れたよ〜。」

 翔、と呼ばれた少年がいささか情けない声を出す。

「私も・・・。麗佳ちゃん、タフね〜。」

 纏が少女に声をかける。するとその後ろにいた老人が笑った。

「カッカッカッ、若いモンが情けないぞ。ホレ、シャキっとせんかい、シャキ
っと。」

 アロハシャツを着た老人が元気に言った。

「おじいちゃんもタフよね・・・。ってか、寒くないの?」

 こめかみから冷や汗をたらしつつ、纏が彼女の祖父、弦十郎に言った。今、イギリスも季節は夏。かなり暖かいとは言え、日本に比べれば肌寒く、雨の日にはセーターを着たくなるくらいまで冷え込む事もある。なのに弦十郎の格好はアロハシャツ。

「・・・・浮いてるよね・・・・。」

 小声でボソッっと翔が麗佳に言う。麗佳も無言で首を縦に振った。

「む?何か言ったかの?」

 弦十郎が翔の方に顔を向ける。

「い、いや何にも!!・・・・ところでハカセ、迎えに来てくれる人ってもう来てるの?」

 首をブンブン横に振りながら否定した後、翔が弦十郎に質問する。

「ふむ・・・・もう来てる筈なんじゃがの。どこかのう・・・?」

 キョロキョロと辺りを見回す。が、どこにもそんな人間はいないようだ。

「まだ来てないのかしら?それにしてもついてるわよね。纏さんが当てた懸賞でタダでイギリスに来れて、その上ガイドさんまでついてるなんて。ラッキー♪」

 ウキウキしながら麗佳が言う。翔と麗佳には、懸賞で旅行が当たった、と言っているが、実際は弦十郎が彼らを労おうと思って連れてきたのだった。流石に翔と麗佳の性格では弦十郎の奢りでイギリスに、などと知ればあまりいい気持ちはしないだろう。よってこの事は斎賀家の2人だけの秘密だった。

「麗佳ちゃん、来るのはガイドさんじゃないわよ。」

 纏が麗佳に言う。

「うむ。来るのはワシの大学時代の友人のお孫さんでな。こっちに来るついでに案内を頼もうと思ったんじゃよ。それにワシもちょっとそ奴に用があってな・・・。」

「え〜?そうなの?それじゃ観光は?」

麗佳が少し残念そうに言う。

「何、大したことじゃないからすぐ終わるよ。そしたら君達を観光に連れて行ってあげるからの。それまではちょっと我慢しとくれ。」

 弦十郎もすこし申し訳なさそうに言う。その時だ。不意に弦十郎の後ろから声がかかった。見れば誰かがこちらに向かって近づいてくる。そして翔達に話しかけてきた。

『Entschuldigen  Sie  mich? Sind  Sie  Genjyuro―Saiga?(失礼。斎賀 弦十郎さんですか?)』

「え?何?何て言ったのこの人!?」

突然、自分たちに向けられた外国語に戸惑う麗佳。そこには一人の美青年が立っていた。180はゆうに超えているであろう長身に金髪碧眼、長い髪を後ろで1つに結び、白いシャツにスラックス、それに夏なのに暑苦しさを感じさせない薄手の黒のロングコートという出で立ちだ。

「な、な、何て言ったのこの人!?」

 慣れない翔もすっかりパニックになっている。纏も目を丸くしている。しかし一人、弦十郎だけは笑っていた。

「カッカッカッ、相変わらず元気そうじゃのう、シュバルツ君。」

 日本語で弦十郎が言う。すると青年も微笑み混じりで

「えぇ。ご無沙汰してます。・・・・・いきなり驚かせてしまってすみません。」

 と、流暢な日本語で答えた。

「え?日本語!?・・・ハカセ、この人一体誰なの?」

 翔が弦十郎に尋ねる。

「さっき言ったじゃろ?彼がワシの友人のお孫さんである――――」

「シュバルツ・リヒトです。初めまして皆さん。」
 
弦十郎の言葉を継いでシュバルツが言う。顔には人懐っこい笑みが浮かんでいた。

「シュバルツ?イギリス人なのにドイツ人みたいな名前ね?」

 纏がシュバルツに言う。確かに、イギリスではシュバルツと言う名前の人間は珍しいだろう。苦笑交じりにシュバルツが答えた。

「ええ。私は元々ドイツ産まれなんですよ。それがちょっとした事情でイギリスに住する事になったんです。」

「へぇ・・・。日本語もお上手ね。ほとんど訛りが無いし。」

「これは私が祖父から教わったのですよ。祖父は大の日本びいきなものですから。」

 と言って笑うシュバルツ。

「ちなみに彼の爺さんに日本語を教えたのはこのワシじゃ!」

 弦十郎がちょっと胸を張る。しかし麗佳の

「信じらんない・・・・。」

 の一言で一蹴されてしまった。ちょっと肩を落とす弦十郎

「フフフ・・・・祖父の言っていた通り、面白い方々だ。」

 流石に笑いをこらえきれなくなったシュバルツが言う。

「では、ずっとここで立ち話をするのも何ですから、そろそろ移動しましょう
か?」

 そう言って一同を促す。彼らはリニアトレイン乗り場へと移動した。

 西暦2005年、20世紀から開発されてきたリニアモーターカーは遂に実用化され、世界各国に配備された。しかも人体に影響のないレベルでの最高速化にも成功する。これによりイギリスのようなあまり大きくない国土を持つ国なら、どこへも1時間少々で行くことが可能になった。それに伴い、リニアモーターカーもリニアトレインと名を変えより人々に馴染みやすくし、デザインもその国々で様々なリニアトレインが考案された。ちなみにイギリスでは、SLを模したタイプが採用されている。


そして翔達一行を乗せたリニアトレインは、静かに駅を出発したのだった。





                                 3
『・・・・・・まだ、見つからんのか・・?』

 闇の中から声が響く。その声の主は、少々苛立っているようであった。

「ハッ、現在奴の退路を特定してはおりますが、発見にはまだ・・・。」

 悪魔をモチーフにしたような鎧を着た男―であろう戦士が、肩膝をついて報告する。

『ならばもうよい。奴の事など捨てておけ。』

 何の感慨も抱かない声音で闇の中の「誰か」が言う。戦士が少し驚いた声をあげた。

「は?ですが・・・・・」

『捨ておけ、と言ったのだ・・・・。』

 反論は許さない、そういった意味を語気に含んで再び言う。

「か・・・かしこまりました。」

 戦士が深く跪く。

「では、次の行動は・・・・・・。」

 と、戦士が言いかけた瞬間、横から女性の声が遮った。

「アタシが行くよ!エイジスになんて任せておくからこうなるのさね。」

「レザード!グランドライゼス様の御前だぞ!」

 戦士がレザード、と呼ばれた女性を嗜める。レザードは相変わらず露出度の高いボンテージファッションに身を包んでいた。闇の中の主―グランドライゼスは、別段気にした風もなく

『まぁよいオルティアよ。・・・・・してレザード。お前が捜していたものは見つかったのか?』

 と、レザードに尋ねる・

「ハッ。かねてより捜しておりましたもの、遂に発見しました。」
 
 と言って跪くレザード。オルティアが言う。

「見つけたのか?他のブレイクポイントを!?」

「あぁ。やっぱりあったよ。あの島以外にもさ。・・・・グランドライゼス様。出撃のご命令を。」

 そう言って再びグランドライゼスに向き直るレザード。

「よかろう・・・・。勇者共が動かぬうちに事を成すのだぞ・・・・・。」

「ご安心ください。今回狙うのは今までとは全く違う島です。勇者達もそう簡単には来れませんでしょう。・・・・では、失礼します。」

 立ち上がり一礼して去っていくレザードを、何か考えるような視線でオルティアが見送っていた。





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リニアトレインに乗って約1時間後・・・・・。

翔達はロンドンの南、ケント州にある小さな田舎町へと向かうためにシュバルツの車に乗りかえていた。

「へ〜。こーゆー所も思ってたよりも近代的ね〜。」

 纏が間の抜けた感想を漏らす。

「近代的って・・・・・どんなのを想像してたんですか?」

 ちょっと困った声でシュバルツが聞く。

「え?何かイギリスの田舎って言うから、辺り一面小麦畑、みたいなのを・・・・。」

 纏の答えに、シュバルツは苦笑する。

「確かに、地方によってはそういう場所もありますけど・・・こちらは割と都市に近いですからね。」

 言って車のハンドルを切るシュバルツ。彼の言うとおり、周囲はきちんとアスファルトで舗装され、周囲は壁を白く塗った民家が連なっている。形こそ昔からの伝統を守っているが、材質は完全に鉄骨である。

「それにこの辺はウィールド(森林)地帯といって、小麦等を作るのにはあまり向いてないんですよ。」

 さらにシュバルツが補足する。今は夏。周囲も遠くも、青々とした木々が一面を覆っていた。

それからしばらくして一行は目的地、フェンルの村へと到着した。今までのとは一転して、伝統家屋が並んでいた。

「へ〜・・・この辺はまだ近代化されてないのね。」

 麗佳が感想を漏らす。

「いえ、違うんですよ。もともとこの辺りも再開発される予定だったんですが、ちょっと、ね・・・」

 複雑な表情をするシュバルツ。

「ちょっと・・・何?」

「ええ、あそこにある森なんですが・・・・・」

 そう言いかけたシュバルツの声を遮って、纏が困った声をあげた。

「あ、ちょっと翔君、大丈夫?」

「う〜、気持ち悪い・・・」

 先程からずっと黙っていたのだが、どうやら長旅で酔ってしまったらしい。顔が青ざめていた。

「だ、大丈夫ですか?もうすぐ私の家なのでしばらく我慢しててください。」

「わ・・・わかったよ・・・・・。ウッ!?」

「翔君・・・・あぁもう、情けないんだから・・・。」

 麗佳が額に手を当てた。
 

―――――それから数分後―――――

シュバルツの運転する車は、一件の洋館に到着していた。後ろに大きな森を持ち、ツタが見事に家を覆っていた。

「何か・・・・ハカセの家と似てるわね。」

 車から降りた麗佳の一声がそれだった。言われてみれば確かにレイアウトは似ている。

「当然じゃ。ワシの家を設計したのはハーゲンじゃからの。」

「ハーゲン・・・さん?」

 麗佳が誰?と言った感じで聞いてくる

「ハーゲン・リヒト。私の祖父ですよ。」

 弦十郎のかわりにシュバルツが答えた。そして一同を促す。

「さ、中で祖父が待っているはずです。それにツバサ君も休ませた方がいい。」

 そう言ってシュバルツが洋館の扉を開ける。すると・・・・。

『遅せえぞシュバルツ!ど〜こで油売ってやがった!!』

 玄関扉を開けた瞬間、シュバルツと弦十郎以外は卒倒しそうになった。玄関を遮るように1人の老いた大男が立っていたのである。

 頭髪は禿げ上がっているが、ワシ鼻の精悍な顔つき。シュバルツよりも高いであろう、190はありそうな身長。そして何より年齢を感じさせない隆々とした体つき何処から見ても全盛期は格闘家だったであろうと思わせる風体だった。その人物が十郎を見る。

『ったく、オメェはいつもトロい・・・・。ん?お前・・・・ゲンジューローか?』

 恐らくはドイツ語であろう。シュバルツに大声で何事か文句を言ってから弦十郎に問い掛けた。弦十郎はカッカと笑いながら日本語で話し掛ける。

「おう、ハーゲン。お互いまだくたばってはおらんかったか。」

 そう言うなり老人―ハーゲンも言葉を日本語に変えて

「やっぱりそうか!!テメェも随分老けたなぁ。え?」

 笑いながら弦十郎と抱き合う。身長が身長なので、まるでお互いかみあっていなかったが。

「こっちの嬢ちゃんたちが、お前の言ってた?」

 そう言って翔達を見る。

「そうじゃよ。これがワシの孫の纏。そしてこっちが翔君と麗佳ちゃんじゃ。」

 先ほどの酔いもどこへやら。目を丸くして翔が「は、初めまして・・・」と小さく言った。

「ツバサと・・・レイカね。んじゃこのおチビちゃん達が例の・・・・へぇ。」

 顎に手を当ててしきりに頷く。

「こやつにはゼクサー君達の事を話しておるのじゃよ。それについての協力も
あって今回来た、という訳じゃ。」

 弦十郎が3人に説明する。流石にこれには今以上に驚いた。ますます翔達の目が丸くなる。

「ゼクサー達の事を話したって・・・何で!?」

 するとハーゲンはあぁ、心配するなと手を振って

「安心しなボウズ。俺もシュバルツも誰にも言わねぇよ。ま、言ったところで誰も信用しないだろうけどよ!」

 と言ってガハハと笑い出す。シュバルツが苦笑して付け加えた。

「祖父はこの辺りじゃ奇人って言われてるんですよ。確かに弦十郎さんと同じ学部にいたとは思えませんけどね。」

「うるっせえよシュバルツ。俺だって好きでこんなになったんじゃねぇや。」

 そう言ってハーゲンはぷいとそっぽを向いてしまった。それを見た麗佳が呟く。

「・・・・・まるで人間サイズのマッハガンナーね・・・。」

 と・・・・。





                                   5

「んで、やっぱりやって来たってワケか。」
 
ハーゲンの屋敷に通され、リビングでお互いに簡単な説明と紹介をし終えた後、シュバルツが翔達に屋敷を案内するから、と言って連れ出した。そして部屋には老人2人が残る形となり、一息ついた後にハーゲンが切り出した。

「うむ、お主と、そしてシュバルツ君の力も借りたい。ワシらだけではきついじゃろう・・・・。」

「それは構わねぇが・・・。それで?その宇宙からやってきた勇者、てぇのは、やっぱりアイツの言っていた通りの姿だったのか?」

「いや、どうやら違うみたいじゃ。火の鳥のような姿だったが、話に聞いていたのとは違う点が多い。そもそも彼らは、偶然この星に来たみたいなんじゃよ。」

 と言って紅茶に手を伸ばす弦十郎。その表情にはやや落胆している感が見受けられた。それはハーゲンも同じだった。が、

「でもよ、結果的にはアイツの言うとおりになった。学会じゃ宇宙から敵が攻めてくる、なんてヨタ話を誰も信じなかったが、それが現実のものになった。」

「そうじゃ。そしてその言葉を信じたワシとお主の苦労は無駄ではなかった、という訳じゃ。」

「へ、こんな苦労は無駄に済んで欲しかったぜ。けどまぁ、『備えあればユーレイ無し』だ。ガハハハハ!」
 そう言って笑うハーゲン。その一言に弦十郎も笑う。

「ユーレイじゃなくて「憂い」じゃ。お主、まさかシュバルツ君にも同じように言ってはおるまいな?」

「・・・・っさい!間違えただけだ!」

 顔を赤くしてハーゲンが怒鳴る。しかし次の瞬間、その表情は真顔に戻っていた。そして弦十郎に聞く。

「『アレ』、完成してるけど・・・見に行くか?」

「勿論じゃ。今回はそのために来たんじゃからのぅ。」

「ついに、この時が来たな。」

 そう言って立ちあがるハーゲン。弦十郎も立ち上がっていた。

「ウム。ワシらの力が試される時。そして・・・・」

「『ジーグ』、発動の時、か・・・・・。」

 その言葉を最後に2人は部屋を後にした。





                                     6
 
イギリスのウィールド地帯に広がる青い空。今、その空の一部がフッと歪んだような気がした。

 いや、「気がした」のではなく、確かに空間が歪んでいた。そしてそこから、1人の女性が現れた。レザードだ。彼女は背中から生えた翼をはためかせ、何かを捜していた。手に持っている水晶が移動するたびに明滅する。

「コスモオーブの反応が大きい。この辺りか・・・・。」

 呟いて空に留まる。しばらく手を顎に当てて、何事か考えていた。

「ブレイクポイントは近い。だが『ゲート』の痕跡すら見つからないのは何故だ・・・。これほどの星なら手がかりが絶対にあるはず・・・。」

 左右を見渡す。そしてある一点でその目が止まった。そこは、広大な森の中にぽっかりと空けられた『穴』だった。

「あれは・・・?もしや!」

 その空間目指して羽ばたくレザード。彼女の想像を裏付けるように、持っているコスモオーブの反応がどんどん大きくなっていく。そして――――

「な、何だいこれは!?」

 驚愕するレザード。彼女の眼下にある物、それは湖だった。中心にはその湖を守るように一本の巨木がたたずむ。その巨木の上にくると、オーブはいよいよもって輝きだした。

「見つけた・・・ここだ・・見つけたよ!!」

 歓喜にあふれるレザード。そしてその太く、巨大な枝の一本に降りてみる。だがその途端露骨に顔をしかめた。

「ん?くっ・・・何だい、手の込んだマネしてくれるじゃないか。まさかこのデカブツがシールドになってるなんて・・・!」

 彼女の目には、この巨木を中心としたこの空間全てに、何か特殊なフィールドが張られているのが見えた。

「全く・・・見た事無いよ、こんな強固なシールド。直接このデカブツを壊そうと思ったけど、そうもいかないみたいだねぇ。仕方ない、アレをやるか。」

 そう言って自らの髪を数本引き抜く。そしてそれを湖の周囲にある木々に投げつけた。その髪の毛は木に突き刺さる。それを確認したレザードは、地球人には到底聞き取れないような不可思議な声で呪文を唱えた。

「・・・・・・・。バストドール・リィギオン!!」

 呪文を唱え終わったた瞬間、髪を突き立てられた木々が反応した。

『オォォォォォォォンッ・・・・!』

 何と、木々が変容していた。さしずめそれは木でできた巨人、といったところか。それが何体も現れた。

「さぁお前たち!ここの水を全部吸っておしまい!大方この水が無ければあのデカブツは無力化するはずだからねぇ。」

『オォォォォン・・・・・。』

 リィギオン、と呼ばれた意思持たぬ巨人たちが、一斉にその触手を湖へと突
き立てた。





                                    7

 弦十郎とハーゲンが廊下を歩いていると、翔達を案内していたシュバルツと出会った。

「おぅシュバルツ。これからアレ、見に行くんだがお前らも行くか?」

 ハーゲンがシュバルツに尋ねる。麗佳がハーゲンに聞いた。

「アレ、って何ですか?」

「うむ。ワシら2人の研究成果、というヤツじゃな。」

 髭をしごきながら弦十郎が言った。

「いえ。これから食事の買出しに行こうと思ってたんですよ。纏さんと麗佳さんも手伝ってくださるそうですから。」

 苦笑してシュバルツが言う。しかしそれに興味を示したものがいた。翔だ。

「あ、僕はハカセ達と一緒に行ってもいい?何なのか見てみたいよ。」

「あ〜翔君、そう言ってるけどホントは私や纏さんと買い物に行きたくないんでしょ!」

 ジト目で麗佳が睨む。翔はこめかみに汗を流しながら必死になって首を横に振った。・・・・実のところは、その通りなのだが。

「まぁまぁ譲ちゃん。んじゃぁ決まりだな。お前らは買出し、俺と弦十郎、ボウズはアレを見に行く。んじゃさっさと行くぞ!」

 ハーゲンはそう言って翔の手を強引に引いて行ってしまった。

「ワイルドなお爺さんねぇ・・・・。」

 引きつった笑いを浮かべて、纏が呟いた。

「・・・・スミマセン。あ、では私たちも行きましょう。」

「そーね。今夜はごちそう作ろう!」

 あれやこれやと纏がメニューを考えながら、シュバルツ達と共に玄関へと向
かった。


 そしてハーゲン達は裏庭へと来ていた。裏庭と言っても、すぐ向こうには森がある。かなり広い庭だった。そこにあった置石の1つにハーゲンが触れる。するとその石が後方へと引き、地下へと続く階段が現れた。

「うっわぁ、こんなの作ったの?凄いなぁ。」

 翔が感嘆する。弦十郎がカッカと笑って

「まだ驚くのは早いぞ翔君。お楽しみはこれからじゃ。」

 と言って階段を下りていった。間に翔をはさむ形で、3人が階段を下りる。階段を降りてしばらく通路を進むと、急に広い空間へと出た。そこはさながら弦十郎の研究所のラボに酷似していたが、そこにあった物に、今度こそ翔は仰天した。

「な・・・何コレ!?ロボットなの!?」

 翔の目の前にあった物。それは10メートル前後の大きさをした、狼、獅子、鷲を模した鋼鉄の獣達だった。ハーゲンが自慢げに言う。

「そうよ。これが俺たちの研究成果。メタニマルだ!」

「メタニ・・・マル?」

「うむ。有事の際に備えて、ワシとハーゲンが作り上げた対侵略用コマンドフレーム。それがこのメタニマルじゃ。もっとも、ワシはこんなのを造りたくは無かったんじゃがのぅ。」

 少し苦い口調で弦十郎が言う。

「まぁ実際に必要になっちまったんだ。ウダウダ言ってもしょーがねぇ。」

 腕組みをしてハーゲンが言う。その気持ちは弦十郎も同じだった。

「そうじゃな。いつまでもゼクサー君達に甘えてはいられんしのぅ。」

「じゃあ、これもあの敵と?」

「うむ。どこまでやれるかは正直言ってわからん。だが、君らの手助けぐらいは出来るじゃろうて。」

「馬鹿野郎。手助けじゃねぇ。俺たち人間が自分の星に来てる侵略者を追っ払
えねぇでどうするんだよ!第一、俺はそんなにヤワに作った覚えはねぇぞ!」

 ハーゲンが怒鳴る。すると弦十郎は苦笑した。

「そうじゃな。ワシらがやってきた事は無駄ではなかった、と証明したいわ
い。」


一方その頃、シュバルツ達は、村の隣町へと来ていた。一度村の中の店を訪ねたのだが、纏の気に入るような材料が無かったからだ。比較的大きなこの町ならば、彼女が気に入る食材も手に入るだろう。今3人は、買出しの前に散策、と、町を歩いていた。

「ゴメンなさいねシュバルツさん。無理言って突き合わしちゃって。」

 苦笑いして纏が謝る。するとシュバルツは笑って

「別に構いませんよ。私も女性2人のお供が出来て光栄です。」
 と半ば冗談めかして一礼しながら言った。その仕草に2人が笑う。
「クスクス・・・。あ、アレ可愛い!」

 不意に麗佳が雑貨屋に目を向ける。どうやら何かを見つけたらしく、そちらに駆けて行った。その時だ。麗佳のポケットから、何かが落ちた。青く塗られた四角い箱のような物。それは彼女のヴァリアブルコマンダーだった。纏がそれを拾い上げる。

「あ、麗佳ちゃん!落とした・・・・って、行っちゃったか。もぅ。」

 1つため息をつき、シュバルツと顔を見合わせて苦笑する。行きましょう、とシュバルツが纏を促したその時、それは現れた。

ガバッ!!!

「う、うわきゃぁっ!?」

 突然、物陰から何かが纏の腕に飛びついた。驚いた纏は持っていたヴァリアブルコマンダーを落としてしまう。

「だ、大丈夫ですか纏さん!!」
 慌てて駆け寄るシュバルツ。何が飛びついたのか、とそちらを見た瞬間、シュバルツは驚いた。

「お、狼!?何故こんなところに・・・。」

 そう。纏の腕に飛びついたのは、一頭の狼だった。銀色の体毛を持った巨狼、とまではいかないが、それでも大型犬位の大きさはあるだろう。

「それに、麗佳ちゃんのヴァリアブルコマンダー!」

 腕をさすりながら纏が叫ぶ。銀狼は、麗佳のヴァリアブルコマンダーを口に咥えていたのだ。まるで最初からそれが目的だったかの様に。銀狼は2人を一瞥すると、そこから走り去った。

「あ、待って!」

 纏が追いかける。振り向きざまにシュバルツに向かって言う。

「私があの狼を追いかけるから、シュバルツさんは麗佳ちゃんをお願い!」

「纏さん、1人では危険です!」

 シュバルツの制止の声に耳も貸さず、纏は狼が去った方向へと走っていった。自分が運動オンチだと言う事を忘れて――――。





                                     8

「ハァ、ハァ・・・・・ま、待て〜!・・・・ハァ」

 かれこれ10分以上は走っただろうか。まだ纏は狼を追っていた。不思議な事に、狼は纏を振り切ろうとはせずに、必ず彼女が気づく位置で逃げているのである。そして1人と1匹の逃亡劇は、どんどん町の裏手の方へと移動していった。

「ハァ、ハァ・・・・うひゃん!!」

べちっ

 足がもつれて転倒してしまう。それは見事なヘッドスライディングだった。

「・・・・〜ッ痛ぅ〜。もー最悪・・・。」

 顔をさすりながら身を起こす。前を見れば今度こそ狼は纏の視界から消えていた。しかし――――

「一本道、そして目の前には遥か向こうまで続く広大な森、か。参ったな〜。」

 時間はもう午後を回っている。このまま森に入ってしまえば夜になるのも時間の問題だ。そして夜の森を1人で動く事は危険を意味する。昔、彼女が自宅の裏山で経験した事だった。まだ幼かった頃、冒険と称して山を散策したのだが、ものの見事に迷ってしまったのである。そう大きくない山とは言え、捜索にはかなり時間を要した。それ以来纏は、登山の類がすこぶる苦手になってしまったのだが・・・・。

「でもまだ狼はそんなに遠くに行ってないだろうし、今なら追いつけるかもしれない。・・・・よし!」

 意を決して、纏が森に入る。邪魔なロープをまたぎ越して、森の奥へと進んでいった。

 その後、事情を聞いた麗佳とシュバルツも追いついてきた。そして周囲の目撃者の話を聞いて、纏が入ったこの森の前に来たのだが・・・・・・。

「ま・・・・魔の森・・・。まさか彼女はこの中に・・・。」

「え?魔の森?」

 おうむがえしに麗佳が尋ねる。シュバルツは冷や汗を流して答えた。

「ええ・・・。ここは魔の森と呼ばれてる森で、私の住むフェンルの村まで続いています。地元の人間は決して近づきません。過去に何人かが入った事があるそうですが、1名を除いて全員が帰ってきませんでした。命からがら戻ってきた者も、『神、悪魔が・・・・』とばかり呟いて、最後には気が触れて自殺したそうです。それ以来、この森は魔の森と呼ばれ、立ち入りが禁止されたのです。そしてこの森がこの辺りの開発を阻んでいるんです。皆祟りを恐れてね。立て札も置いてあったはずなのですが・・・・。」

「そう言えばさっきも纏さん、お店の人と英語で話してたわね。ならわからないはずないのに・・・・。」

 2人がロープの所まで近づく。そして地面に転がっている物を見つけて拾い上げた。

「これ・・・もしかして!?」

「最悪だ・・・・。麗佳さん、一度戻りましょう。私たちだけじゃ彼女を見つける事は不可能です!人を集めないと・・・!」

 頷きあって麗佳とシュバルツは森を後にした。「この先魔の森につき、立ち入り禁止」と英語で書かれた立て札を投げ捨てて―――――


「・・・・くしゅっ!あぅ、完全に迷っちゃった・・・・・かな?」

 森の中に入ってどれくらい経ったのか。鼻を擦りながら纏は一人ごちた。森の中をずっと歩き回ったため、彼女が着ているブラウスもすっかり汚れてしまっていた。

「ハァ。こりゃ人生最悪の日ね。もっとも、生きて帰れたらだけど・・・・。」

辺りは木々のおかげで真っ暗だ。正確な時間もわかりそうにない。普段なら腕時計をしているのだが、先程木の根でつまづいて転倒した際に落としてしまったらしい。

「もう。あの狼何処行っちゃったのかしら・・・。お腹空いたな〜。」

 呟いて手近な巨木の根に腰掛ける。と、その時だ。

「・・・・・・・ん?あ〜!見つけた!!」

 見れば、向うの木の陰から先程の狼がこちらを見つめていた。相変わらず麗佳のヴァリアブルコマンダーを咥えたままで。纏が立ち上がると、再び狼は逃げるようにその身を翻した。

「あ、こら!待て〜!!」

 落ちた枝や根に脚を取られつつも、再び纏の追跡は始まった。



「だいぶ水が引いたね。さぁお前達!あともう少しだよ!」

『オォォオォォン・・・・』

 レザードの叱咤にリィギオン達が反応する。今や湖は元あった量の5分の1程までに減っていた。そして逆に触手から水を吸い取っているリィギオンの方は、媒介が木のおかげだろう。水を吸収するその度に身体が大きくなっていた。最初は10メートルも無かった背が、今は20メートルに届く大きさになっている。そして湖の中心に立っている巨木にも、その行為による変化が現れていた。

「へぇ。大正解。アタシの読みは外れてなかったみたいだね。」

 枯れているのだ。本来なら植物は水が無くなったからとは言え、枯れるまでにはしばらく時間がかかる。なのにこの巨木はリィギオンが水を吸収するその度に、目に見えて朽ちていくのが確認できた。彼女は巨木が枯れてるのはただ単に水が無くなっていく所為だと思っているが、実は、この巨木はフィールドを形成するのにカムフラージュされたハリボテだったのである。フィールドの本体、と言うべきか。それは今リィギオンが吸収している水の方だった。本体が力を失えば、それに支えられているハリボテも存在する意味は無い。そういう事だ。

「もうじきだ。もうじきこの星の、この星系のエナジーが我らギルナーグの物に・・・・!」

 そう呟いたその時だった。

「ったくぅ・・・あの狼ま〜たどっかいっちゃったわ・・・・。」

 森の向こうから、誰かが出てくる。纏だった。

「もう、こんなトコまで来ちゃった・・・・・・って、え?」

 纏の目が点になる。目の前に巨大な植物の化物がたくさん。そしてほとんど枯れている湖。視界が開けたと思ったら、とんでもない場面に出くわしてしまった。

「な・・・何なのよコレ!?木の・・・オバケ!?」

 思わず叫ぶ纏。その声にレザードが気づいた。

「ん?この星の先住生物か・・・・。見られたら生かしておけないねぇ。」

 レザードがパチン、と指を鳴らす。その音で一体のリィギオンが纏の方を向いた。

「恨むならこんな所にノコノコやってきた自分を恨みなよ。やっておしまい!」

『オォォォン・・・・』

 虚ろな眼窩で纏を見下ろしていたリィギオンの右手が持ち上げられた。瞬時にそれは枝分れし、棘付きのハンマーのような形になる。そしてそれは無造作に纏へと振り下ろされた。まるで力が抜けた手を下ろすかのような動きで。

ズウゥゥゥンッ!!

 纏の頭上へ、間違い無くそれは直撃した――――かに見えた。

「あ・・・あわわわわ・・・・!」

 ハンマーのすぐ横でじたばたともがく纏。彼女は銀の毛並を持つ狼に襟首を咥えられていた。直撃の瞬間、閃光のような速さで狼が草分けから飛び出し、纏を救ったのだった。

「あ、た・・・助けてくれたの?」

 ゆっくりと纏を開放する狼。先程まで咥えていたヴァリアブルコマンダーはいつの間に入れたのか、纏のブラウスのボタンとボタンの間に入れられていた。

ウォォォォォン!!

 勇ましく狼が遠吠えをする。そして纏を見つめる。そしてこう「言った」

『我が主よ。結果的に貴女をこのような目にあわせてしまった事。心からお詫びします。』

「・・・・・・は?しゃ、喋った・・・しかも、英語ぉ!?」

 驚愕する纏。この巨大な植物魔人といい、目の前の英語を喋る狼といい、自分はどうにかなってしまったのだろうか?纏の驚きを無視して狼は続ける。

『ですが、今は事情が事情です。どうか気を確かに。そして私に力をお貸しください。』

『ち、力って・・・・・アンタ一体何者なのよ!?』

 思わず英語で問い返す纏。その視線に力を込めて、その狼は答える。

『私の名は・・・・・ファング。』

 そう言ったその時、纏の胸で、麗佳のヴァリアブルコマンダーがほのかな光を帯びていた事に、誰も気づかなかった。
 



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                             あとがき

麗佳(以下麗):・・・・・・・・ねぇちょっと!終わり?コレで5話終わり!?

作者(以下作):・・・・終わりですが何か?

麗:何かどエライ中途半端じゃない!!しかも私の出番少ないし・・・・。

作:いや、元から5・6話は前後編にするつもりだったから・・・。まぁ今回はツッコミどころ満載で切って、回答編は次回ってコトで。

麗:そう・・・珍しいわね。元から前後編だなんて。3話だって最初は前後編

にする気無かったくせに・・・。

作:う゛っ!?ま、まぁアレは考えた結果ああなったワケで・・・。

麗:ハイハイ。言い訳しないの。にしても今回、やたら布石があるわね。

作:うみゅ。自分でもそう思う。

麗:・・・・・大丈夫なの?

作:・・・・多分(ぉ

麗:ホントに大丈夫かしら・・・。

作:あ、次回は途中で某オリブレSSが割り込むため、更新遅くなると思います。なのでやきもきして待ってて・・・・

麗:バカな事言ってんじゃないの!さっさと書き上げなさい!!(スタングローブ・電源ON)

作:ぐふぅあっ!?


                                 2002年6月 動輪&麗佳