第四話 三銃士の戦女神
 

―――西暦2016年 6月―――
 地球は未知の脅威に晒されていた。日本の某県にある神楽ヶ丘市に突然現れた巨大なロボット。

 それは何かを捜し求めるかのように市内を徘徊し、そこに居た人々や建物を破壊、蹂躙した。偶然その場に居合わせた少年、神崎 翔(かんざき つばさ)も脅威に巻き込まれる。だが、彼が首から下げていたクリスタルが突然光を放つと、それは1体のロボットになる。そのロボット、ゼクサーの力によって敵を退ける事ができた。そして今、新たなる力を手に入れたゼクサーと、その仲間であるガンナーズ達が加わり、戦いはより激化の一途を辿ろうとしていた・・・・・・。



―――同年7月―――

 謎の巨大ロボットの襲撃から2週間が過ぎた。今は神楽ヶ丘に住む人々は平穏に暮らしている。皆が何事もなかったかのように日々を過ごしている中で・・・・・・

とある街外れの一画だけは「平穏」とはいささかかけ離れていた。

 その一画に建つ邸宅、そこに今、一組の男女が訪ねてきていた。翔とその幼馴染である羽賀 麗佳(はが れいか)である。学校が終わったその足で、2人はその邸宅へと来ていた。インターフォンを鳴らすと、中から1人の女性が2人を招き入れた。翔が挨拶をする。

「こんにちは纏さん!ゼクサー達は元気?」

 纏、と呼ばれた女性が答える。

「ええ。元気にしてるわ。ただ・・・・ガンナーズがねぇ。」

 そう言うと額を抑えてため息をついた。

「ガンナーズって・・・・・もしかしてあの2人?」

 額に汗を浮かべつつ麗佳が聞いた。すると予想通り、と言うべきか纏が力無く頷いた。

「やっぱり・・・・。とりあえず研究所のほうに連れて行ってもらえませんか?」

「まったく、少しは仲良く出来ないのかしら?」

 やれやれと肩を落としながら纏は研究所――裏の山へと2人を促した。
 


 3人が研究所に着くなり聞こえてきたのは、大声で罵りあう「2人」の声だった。

『てめぇ!まぁたミスりやがったな!』

 若い「男」の怒声が裏山の中に建造された研究所に響き渡る。それにまた別の声が反論した。

『何を言うか!今のは貴様のタイミングが悪かったぞ!他人の所為にするな!』

 もう一人の「男」が言う。こちらも一歩も譲らない。果てしなく口論が続くかと思われたその時、

「いーかげんにしなさ〜いっ!!!」

『お・・・・・お嬢・・・。』

『れ、レイカ殿?』

 その2人の口論をも封じる大音量で怒鳴ったのは様子を見に来た麗佳だった。





「・・・・・・・全く、何でいっつもケンカするわけ?少しは仲良くしたらどうなのよ?」

 先ほど怒鳴った所為か、麗佳は肩で息をつきながら2人に説教をしていた。自分の身の丈をはるかに上回る鋼鉄の巨人を相手に。そう、彼らは人ではなかった。遠い宇宙から来た「勇者」なのである。そこにフロアーの奥から1人の老人がやってきた。

「騒がしいの。何をしとるのじゃ?」

 そう言ってやってきたのはこの建物の主である斎賀 弦十郎(さいが げんじゅうろう)だ。彼の後ろには麗佳に説教を受けていたロボットと同じ雰囲気を持った2体のロボットがいた。そのうちの片方、赤い色をした勇者を見て翔の顔が笑みの形になる。

「あ!ゼクサー!」

『やぁツバサ。・・・・・これは一体何の騒ぎだ?』

 そう言って怪訝な顔をするゼクサー。横にいた暗緑色をした勇者が頭に手をやる。

『マッハにグラン・・・・やはりコイツらを一緒にしておくのは間違いだったか・・・・。』

 ゼクサーとビッグガンナーは、メンテナンス(と言うより調査)の為に弦十郎と一緒にいたのだが、その間に2体に「コンビネーションの練習でもしてろ」と言っていたのだ。しかしそれが災いしたらしく、いつものように2体は口論を始めたのだが・・・・・今回はいつも以上に険悪な雰囲気が流れていた。

 ビッグガンナーの呻きを聞いた2体が暗緑色の勇者に詰め寄る。2体が同時に口を開いた。

『なぁビッグの旦那、悪いのはそっちだ!グランがトロいからミスる・・・・』

『ビッグガンナー、自分はベストのタイミングでした!間違っていたのはマッハガンナーの方であり・・・・』

ごすっ!

 全てを言わせる暇もあらばこそ。ビッグガンナーと呼ばれた暗緑色の勇者は何も言わずに2体を殴り倒した。

『・・・・・〜ってえ!?何すんだよ旦那!痛てーじゃねーか!』

『な・・・・何で自分が・・・・。』

 殴られたマッハガンナーとグランガンナーがうめく。ビッグガンナーが一喝した。

『何でお前らはいつもそうなんだ!俺たちはチームだろう。仲間割れなんてしてどうするんだ!もし戦闘中にそんな事をして敵につけ込まれたら!!』

 しばらく無言で俯く2体。先に口を開いたのはマッハガンナーだった。

『・・・・・・俺は、こんな奴仲間だなんて思っちゃいねぇよ・・・!』

 そう言って立ち上がるマッハガンナー。

『待てマッハガンナー!』

 ビッグガンナーの静止の声にも耳を貸さない。マッハガンナーはそのまま踵を返した。

『もうやってられっか!!出てってやるよこんな所!あばよ!!』

皆を振り切って、マッハガンナーは研究所の外へと飛び出した・・・・。




「・・・・・・・どこ行っちゃったのかしら、マッハガンナー・・・。」

 マッハガンナーが研究所を飛び出したその後、翔、麗佳、纏の3人は彼を捜しに街中へ来ていた。3人で手分けして捜しているのだが、一向に見つかりそうに無い。流石にロボットの状態ではなくてビーグルの姿になっているのだろう。翔や纏ならともかく、麗佳は車には疎く、どれも同じように見えてしまう。

「まったく、世話ばかり焼かせるんだから・・・・。」

 そう言ってまた辺りを見回す麗佳。その時、ふと目の前に公園があった。

「・・・・・・ちょっと疲れちゃった。休も。」

 歩き疲れた麗佳は、誰も居ない公園のベンチに腰掛けて――――そこで不思議なものを発見した。車だ。しかも青い車だ。さらには何故か芝生の上にいる。

・・・・・・・・・・おかしい。絶対におかしい。

 そう思った麗佳が車に近づく。この形はどこかで見たことがある。そう、マッハガンナーと同じ形の車だと思う。どうやらその車には人が乗っていないようだが、エンジンはかかりっぱなしでさも「盗んでください」と言っているようであった。

「・・・・・・・・・マッハガンナー?」

 麗佳が車に呼びかける。しかし車は何の反応も示さない。間違ったのだろうか?

「ちょっと、マッハガンナー?」

 それでも麗佳はもう一度呼んだ。やはり反応は無い。どうやら見当違いだったようだ。そう思って麗佳がきびすを返し、公園から出ようとした時、その「声」は聞こえた。

『い・・・・・イダダダッ!!こらガキ共!何しやがる!!』

 その声に麗佳が振り向くと、そこにはいつ現れたのか、2人の子供が先程の車にイタズラをしていた。その手には10円玉が握られていて、何をされたのかは言うまでも無い。その声に驚いた子供達は一目散に逃げ出した。

『ったく・・・・・何てことしやがるんだ。・・・・・・?』

 そう言った瞬間、車は固まった。ふと見れば、そこには目を点にして佇んでる麗佳がいたのだ。一瞬、風がそよそよと通り過ぎる。

・・・・・・・・・・慌てて元の車のフリをしようとしたが、時既に遅し。


 こうして、マッハガンナーの短い家出は終わりを告げた。






「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 この世の何処ともつかぬ異空間にある城。今、その廊下を無言で歩く人影があった。長身痩躯、ハンサムと言っても許される顔立ち。しかしその青い肌と全身から漂う刃物のような殺気が、彼は常人とはかけ離れた存在であるという事を示していた。

「畜生、もう後は無ぇってか・・・・・。」

 そういって男―エイジスは廊下を抜ける。そう、彼にはもう後が無かった。2度にわたる地球襲撃、「コスモエナジー」奪取の失敗に加え、彼の手足ともいえる機動兵器「操機(アード)」の損失。

 彼の主たる存在、「破星王」とも称されるグランドライゼスはそう何度も部下の失敗に目をつぶる男ではなかった。普通ならば1度の失敗で彼の存在は無くなっている。それをしなかったのは彼の過去の功績によるだろう。しかしそれもここまでの話。もし次に失敗した場合はどうなるか・・・・・・。

「くそっ!!」

 悪態をつきながら門の方へと向かうエイジス。彼の目には軽薄そうな表情の代わりに今まで無かった覚悟の色が潜んでいる。いつもなら地球に来てから使う「召喚銭(サモン・チップ)」をその場で1枚出す。

「・・・・・・・こいつを、使うしかねぇか・・・・。できれば使いたくなかったんだがな。」

 そう言って左の手甲に召喚銭をはめ込む。いつもの上空に放り上げて召喚を行うのとはいささか違うようだ。

「来い・・・・・・!鎧操機(ガイアード)・ザルドニクスッ!!!

 左手を前に突き出すと、足下に大型の魔方陣のようなものが発生する。そしてそこから一体の操機が現れた。いや、違う。

 現れたのはこれまでの操機を一回り強大きくした機体だ。機体各所の装飾も派手になっている。紅と白、その2色がバランスよく配色されたボディーカラー。どれをとっても今までより1ランク上をいっている。オルティアの「力」で強化されたラーヴィスとは全く違う威圧感が漂っていた。

「・・・・・・・こいつを使うのは、『あの時』以来か。・・・・・いくぞっ!!」

 そう言ってエイジスはザルドニクスを伴って転移した。





「・・・・・・・・・・・・・バカ」

 先に沈黙を破ったのは麗佳だった。

『う、うっせーな。何の用だよ。』

 不機嫌な声でマッハガンナーが応じる。

「何の用、ですってぇ?誰が迷惑かけてるのよ。誰がっ!心配したじゃない!!」

 心配、という言葉に反応するが、やはりぶっきらぼうに応じるだけだ

『・・・だれも心配してくれなんて頼んじゃいねーよ。んで何だ、俺を連れ戻しに来たのか?』

 取り付くしまもないとはこの事だ。麗佳はため息をつく。

「ねぇ、何でグランガンナーとケンカばっかりするの?あなたたち仲間じゃない。」

『るせぇ。お嬢にはカンケー無ぇだろ。それにさっきも言ったがあんな奴仲間でも何でもねーよ。』

 さすがに麗佳も語気が荒くなる。いや、・・・・・・・キレた。

「何よ、何よその言い草は!どうしてそういう事が言えるの?今までずっと一緒だったんでしょ、一緒に戦ってきたんでしょ!?何がそんなに気に入らないのよ!!言ってみなさいよ!」

『そ・・・・・それは・・・・。』

 マッハガンナーが口ごもる。

「何よ。言ってごらんなさいよ。」

『・・・・・・・・・・・・・・。』

 今や彼は自分より小さい少女に完全に気圧されていた。先程までの威勢の良さなど微塵も無い。再び2人の間に重苦しい空気が立ち込める。今度はマッハガンナーが先に口を開いた。

『アイツは・・・・・・・アイツは・・・・・・。』

「・・・ん?」

 そこから先が聞き取れない。近づいてもう一度聞こうとした瞬間・・・・・・

『だ〜〜〜〜〜っ!!!参った参った!俺の負けだよ!』

 いきなりの大声に、驚いた麗佳は尻餅をついてしまった。

「な・・・・・何なのよ急に・・・・・。」

『いや、俺もよくよく考えたらくだらねぇコトでいがみ合ってたんだなぁ、と思ってよ。お嬢のおかげで気づかされたよ。』

「ち、ちょっと、勝手に自己完結しないでよ!一体何がどうなって・・・・。」

 焦る麗佳。確かに何のことだかサッパリだ。なおも聞こうと詰め寄ったその時――――


―――3度、異変が起きた―――





ズガアアァァァァン!!

 爆音が大地を震わせる。そしてその後、優に25mは超えようかという1体の巨大なロボットが降りてきた。

 ズッ・・・・・

 驚いた事に、これだけの巨体を保ちながらも地面は殆どめくれ上がっていなかった。

 さらに、今までは無人だった操機から、男の声が聞こえた。

『・・・・・さぁて、ブレイクポイントはどこだ?この辺なんだが・・・・。』

 そう言って周囲を破壊してまわるロボット、そう。ザルドニクスと呼ばれた紅白の機体だ。そしてその中から聞こえたのはエイジスの声。

ザルドニクスは有人で動かすタイプの操機だった。しかもただ操縦するのとはわけが違う。ザルドニクスのコクピットは計器や操縦桿と言った物は無く、彼の動きをそのまま増幅、フィードバックして動かす、正に彼の「鎧」だった。

『・・・・・・おかしいな。間違いなくこの辺のはずだが?』

 さらにビルを崩し、地面を踏みにじって進むザルドニクス。傍から見ていると、何かを捜すと言うよりはそれにかこつけて破壊をしているようにも見えた。その勢いを緩めずに進もうとしたその時・・・・!

『ゼクサーマグナムッ!!』

バシュウゥゥッ

 掛け声とともに一筋の閃光がザルドニクスに向かう。それは左肩に命中するが、装甲に若干の傷をつけるに留まった。

『・・・・・・・・・・・・・来ぃたかぁっ!!』

 そう言って閃光の出た方向を向くザルドニクス。中に乗るエイジスの声が普段のように荒くなっていた。その視線の先にいたのは・・・・・・

『?何だぁ、一体足りねぇぞ?』

 エイジスが疑問の声を口にしたのも無理は無い。そう、先程の閃光を放った主―ゼクサーの他にはグランガンナーとビッグガンナーしかいない。それも当然だ。マッハガンナーはこの時麗佳と口論をしていたのだから。だが彼がそれを知るはずも無い。

 ザルドニクスに向かってゼクサーが叫ぶ。

『貴様の相手など、我々だけで充分だっ!!』

 そう言って再びゼクサーマグナムを放つゼクサー。他の2体も同時に攻撃を加える。今度は頭部をピンポイントしていたのだが・・・・

『・・・・・うぜぇっ!!』

 その一言と共に突き出された左手によって攻撃は全てかき消された。さらに手を下ろさずに力を込める。すると前腕がスライドして放熱板のようなものが現れ、手のひらが輝きだした。

『喰らえぇぇぇぇっ!』

ズバァァァァァッ!!

 叫ぶや否や、左手に収束したエネルギーが巨大な閃光となってゼクサー達を襲った。

『危ないっ!!』

そう叫んで回避行動に出る3体。辛くもそれをかわす事に成功するも、立て続けに放たれるエネルギー破によって、ゼクサーが孤立させられてしまった。すぐさまゼクサーのもとに駆け寄ろうとするが

『そうそう上手くいくと思ってんのか!来い!エメラディア、ガーネスト!!』

 エイジスが召喚する。するとザルドニクスの胸から空に向かって光が伸び、上空に暗雲を作る。その中から前回戦った操機、エメラディアとガーネストが、それぞれグランガンナーとマッハガンナーに踊りかかってきた。

『クッ、こいつらはこの間の!ビッグガンナー!』

『ああ、どうやら俺たちを通してくれる気は無いらしい。仕方ない・・・いくぞっ!!』

 突如現れた増援に2体は向かっていった。向こうも相手を考えてか、グランガンナーにはガーネスト、ビッグガンナーにはエメラディアが攻撃を仕掛けてくる。相手の苦手なレンジからの攻撃に、短射程のグランガンナーは踏み込めず、逆に長射程のビッグガンナーは敵との距離がとれずに苦戦する。ビッグガンナーの場合、近距離戦のエメラディアが相手ならば来る前に沈めれば良いようなものだが、如何せん2体の機動力の差はそれを払拭するくらいに離れていた。狙いを定める暇を与えずに一気にエメラディアが突っ込んでくる。剣技に置いてはゼクサーと同レベルの技量を持つエメラディアの攻撃に、ビッグガンナーの身体の傷はどんどんと増えていった

『クッ・・・・・うがっ!!』

 苦痛のうめきを漏らすビッグガンナー。右前腕に装備されたアーミーナイフで剣を受けようとするが

パキィンッ!!

 と、小気味のいい音と共にナイフが砕けてしまい、次の瞬間にはビッグガンナーを一閃していた・・・・・・。


2体が苦戦している時、離れた位置にいたゼクサーも同じように苦戦していた。ザルドニクスの腕より放たれる閃光のおかげで

近寄る事ができない。ゼクサーマグナムも弾かれてしまい、ダメージを与える事が出来ずにいた。

『どうした、それで精一杯か!?』

 エイジスが挑発する。今までの無人機とは全く異なるその戦い、お互いの力量の差は歴然としていた。

『クッ・・・・ツバサ、バンガードファルコンはまだなのかっ!?』

 必死でかわしながら、ゼクサーは翔に向かって言う。

「ダメ!まだもうしばらくかかるみたいだよ!頑張ってゼクサー!!」

 離れたところに居る翔から返事が返ってきた。

『合体さえ、ゼクシードに合体さえできれば・・・・・!』

 そう、バンガードファルコンはこの時研究所でチェックを受けていた。そのためにエイジスが現れてもまだ発進できずにいたのだ。

不意に、エイジスからの攻撃が止んだ。見れば伸びていた前腕が元に戻っている。

『・・・・・・・ぇ。』

 ザルドニクスから声が漏れる。

『・・・・・・・らねぇ』

 何事かをぶつぶつ呟くエイジス。これを好機と見て、ゼクサーがゼクスラッシャーを構えてザルドニクスに接近する。その勢いで大上段から剣を振り下ろすが・・・・・。

ガキィッ!!

 それは無造作に上げられた左手で止められてしまった。

『何っ!?』

 しかし接近したおかげで、彼はエイジスの声を聞くことができた。背筋を震わせるような静かな声を・・・・・・。

『くだらねぇ・・・・・くだらねぇくだらねぇくだらねぇくだらねぇっ!くだらねぇぞおぉぉっ!!!』

 エイジスの絶叫と共にその腕に力が込められる。すると光を放っていたゼクスラッシャーが粉々に握り潰されてしまった。

 さらに同時に発せられた殺気によってゼクサーが彼方へと吹き飛ばされる。

『こんな・・・・・こんな程度のクズが俺に楯突いてたのかぁっ!!こんな・・・・こんなクズが俺様の操機をぉぉぉっ!!!』

 エイジスの殺気はさらに膨れ上がる。それはあまりにも凄まじく、決して見えるはずの無い「気」がザルドニクスをゆらゆらと取り巻いていた。

『エメラディアァァッ!!!』

 右手を突き出してエイジスが操機を呼ぶ。すると今正に止めを刺そうとしていたエメラディアの動きがピタリと止まり、その身体が緑色の燐光に覆われた。次の瞬間、

バシュッ!!

 という音を残して、緑色の光がザルドニクスの右手に収まっていた。

『な、何っ!?』

 起き上がったゼクサーが驚愕する。ザルドニクスのその手には、鮮やかな緑色をした巨大な槍が握られていた。

『エメラディスホーンッ!!』

 一声吼えて槍を地面に突き刺す。それだけで周囲に衝撃波が広がり、辺り一面は崩れ去る。その槍をゼクサーの眼前に突きつけた。

『今までのテメェらに敬意を表してやるよ。この俺様直々の手にかかることを光栄に思うんだな。』

『く・・・・・万事休すか・・・・・。』

 再びゆっくりと、槍が振り上げられた・・・・・・。





ズガアアァァァァン!!

 爆音が大地を震わせる。

「きゃぁっ!地震!?」

『な・・・・何だぁ!?』

 突然の轟音に驚く麗佳とマッハガンナー。彼らはまだゼクサー達の戦いに気づいていなかった。

「な・・・・何よ今の音・・・・・。」

 そう言ってあたりを見回す麗佳。

『待てよ・・・今のは間違いねぇ。また来やがったみたいだぜ!』

「来たって、あのヘンなロボット!?どうしよう、急がないと!」

『急ぐって・・・お嬢に何ができるんだよ!』

 マッハガンナーが突っ込む。しかし麗佳はキッっと視線をマッハガンナーに向け

「私だって、非難する人達の誘導くらいするわよっ!」

『ワケわかんねぇよ・・・・。まぁいい、とりあえず乗れ!』

 麗佳を乗せたマッハガンナーが動き出す。たまたま近くを通った主婦が猛スピードで公園から出てきた車を見て、しばらくの間井戸端会議のネタにされたのはここだけの話である。





 槍を振り上げて逆手に持ち返る。エイジスは一突きで止めを刺すつもりだった。身を捻ってかわすよりも早く槍が刺さるのは明白だろう。

『これで終わりだなぁ。クズ勇者。』

 冷たい声でエイジスが言い放つ。

『最後に、言い残した事はあるか?それ位なら聞いてやるぜ。』

『・・・・・・・・・・・。』

 沈黙を以ってゼクサーが答える。

『へっ、俺相手に何も言う事なんざ無ぇってか?・・・・・・んじゃ、死ねやあぁっ!!』

 エイジスが槍を振り下ろそうとしたその時!

『リヴォル・スマッシャーッ!!』

ズガガガガガッ!!

 エイジスに向かって無数のエネルギー弾が飛ぶ。

『っ!?ちぃっ!』

 慌てて槍を高速回転させて全弾を弾いた。そして弾の飛んできた方向をキッと睨む。するとそこに「彼」がいた。ゼクサーがゆっくり首を向ける。

『遅いぞ・・・・マッハガンナー!』

『へっ、随分と男前になってるじゃねえかゼクサー!旦那もグランも随分ボロクソにされちまってまぁ・・・・。』

 そう言って残りの2体を見る。ビッグガンナーもグランガンナーももうボロボロだった。そして翔のもとへも一人、駆け寄っていた。

「翔君!大丈夫!?」

「れ、麗佳ちゃん!見つけてきてくれたんだね!」

「ま、ね。それよりどうして合体してないのよ?」

 麗佳はバンガードファルコンが整備中だと言うことを知らなかった。翔がそれを説明すると、

「何ソレ・・・・最悪。あんなの合体しないでどうやって倒すのよ!」

 うめく麗佳。翔も沈んだ表情だ。

「もう少ししたら来ると思うんだけど・・・・。」

「そんな・・・・ムチャよ!マッハガンナーだけじゃどうにもならない!」

 そう、今グランガンナーと戦っていたガーネストの銃口は、マッハガンナーに向いていた。2対1、形勢はすこぶる悪い。

『ったくよ、今日は厄日だぜ・・・。』

 マッハガンナーも唸る。と、

ズガァンッ!!

 突然ガーネストの背中から炎が上がる。否、実際は・・・

『マッハガンナー・・・貴様、よくもノコノコ来れたものだな・・・。』

 そう言って、倒れていたはずのグランガンナーが立ち上がっていた。見ればビッグガンナーも満身創痍ではあるが立ち上がっている。

「グランガンナー、ビッグガンナー、大丈夫なの!?」

 麗佳が2体に声をかける。すると2体は苦笑した。

『レイカ殿の前で無様な姿は晒せませんからな。』

『バンガードファルコンが来るまでの時間ぐらいなら、今の俺たちでも稼げるさ・・・。』

『お前ら・・・ツバサ、こいつらは俺たちが何とかする。だからお前はさっさとジジイに持って来いって伝えろ!それとお嬢を連れてこっから離れろ!』

 マッハガンナーが翔に声をかける。

『テメェら、何をゴチャゴチャやってやがるっ!!』

 ザルドニクスが怒声を上げながらこちらに向かって走ってきていた。狙いをゼクサーからこちらに変えたらしい。

『ツバサ、早くっ!』

 ガンナーズが翔達の前に立ち、それぞれが身構える。

「う、うん、わかった!」

 慌ててヴァリアブルコマンダーを取り出す翔。研究所に通信しようと開いた途端、ヴァリアブルコマンダーに異変が起こった。

「な・・・・何コレ!?また光ってる!」

 そう、ヴァリアブルコマンダーがまた輝きだしたのだ。しかも今度は赤ではなく、蒼い光だった。

「ちょ、どうなってるの!?」

「僕に聞かれてもわからないよ!」

 光の明滅は止まらない。どんどん眩く光を放ち、接近していたザルドニクスを弾き飛ばす。と―――

 以前と同じように、辺りは蒼い光で満たされていった。ただ1つ違うのは、その時に麗佳の意識がブラックアウトした事だった。





 どこからだろう、声が―――聞こえる。

『―――――――よ。』

 誰?誰なの?私を呼ぶのは・・・。

『少女よ。私の声が聞こえますか?』

 聞こえる・・・誰?あなたは一体誰なの?

『すいませんが、時間があまりありません。手短にいきます』

 ちょ、ちょっと!私の質問に答えてよ!

『貴女に、少年の力を分けます。』

 え?え?少年って・・翔君?翔君の力って!?

『別に怖がる事はありません。貴女が少年の支えになってあげてください。』

 翔君を・・・支える・・・。

『そう、落ち着いて。意識を「心」に向けてください。では、いきますよ。』

 あ、待って!あなたは一体――――

『いずれまた会うでしょう。その時にでも――――』





「―――ちゃん、麗佳ちゃん!!」

「えっ!?」

 不意に麗佳が目を開ける。彼女の眼前に映ったのは慌てふためいてる翔の顔だ。

「翔君?・・・私一体どうしたの?」

「イキナリ倒れたんだよ!しかもさっきの光が麗佳ちゃんの中に入っちゃったんだ!」

「光、が?私に?」

 驚きながら自分の姿を見てみる。別に何も変わっていないようだ。気分も悪くない、というよりむしろ絶好調の時に近い。

「大丈夫?」

「ええ。大丈夫だけど・・・何だろ、胸の奥が・・・暖かい。」

 そう言って麗佳が胸に手を当てる。偶然か。そこは先程の光が入っていった所だった。胸から1つの言葉が浮かび上がる。

 麗佳は気づかぬうちにその言葉を口にしていた。

『ブレイブ・エンター・・・・』

 麗佳が呟いた途端、彼女の前に先程の蒼い光が集約した。その光は1つの形になる。光から生まれた物、それは―――

「ヴァリアブルコマンダー!?」

 そう。それは間違いなくヴァリアブルコマンダーだった。1つ違うとすれば、色が青いという事だけだった。麗佳がそれを手に取る。

(もしかして、支えるってこういう事?私も戦えって・・・。でも―――)

 はっきり言って怖い。自分がどうにかなってしまうのではないか、そう思うと身震いする。何で私が?そう思った。しかし胸の内で呟きながら幼馴染を見た時、決心した。麗佳にとって彼は幼馴染であり、弟であり、そして大事な人だった。その彼の支えになれる。
 ならば――――
「やって、やってやろうじゃないの!」

 そう麗佳が決意した時、再びヴァリアブルコマンダーが明滅した。言うべき『言葉』が頭の中に入ってくる。

「麗佳ちゃん、やるって何を!?」

 翔が聞く。すると麗佳はウィンク1つ返してこう言った。

「翔君、早くハカセに連絡して。時間は稼ぐから。『私達』がね!」

「わ、私達?」

 翔の言葉を無視して、麗佳はガンナーズに向き直る。するとそこには先程の光のおかげなのか、傷1つ無いボディで立つ3体の巨人がいた。彼らの目にも自身が満ちている。

「ガンナーズ!準備はいい?」

 麗佳が言う。すると威勢のいい返事が返ってきた。

『コイツと組むのは正直ゴメンなんだが・・・まぁいいぜ!!』

『レイカ殿、いつでもOKであります!!』

『俺たちの力、見せてやろうぜ・・・!!』

 麗佳が胸の前でヴァリアブルコマンダーを構えた。新たなる戦士の誕生だった。





 麗佳が胸の前でヴァリアブルコマンダーを構えると、それは変形、展開して銃の形を取る。その銃口をガンナーズに向けて、開放の鍵となる言葉を唱えた。

「ブレイブ・エンター、重爆合体!!!!」

 その言葉と共にトリガーを引くと、撃ち出された光がガンナーズを覆う。

『『『おおっ!!』』』

 3体が空へと飛び上がる。各々が変形を開始した。

 まずビッグガンナーのふくらはぎが開き、脛が回転して下がる。丁度膝とつま先が逆転する形になり、胴体が180度回転する。

 頭部を胴体に収納して、両腕も縮む。腕はそのまま背面まで移動する。

 さらに上半身が後方へとスライドして、完全に上半身はバックパックになった。

 次にグランガンナーが両腕のグランバスターを切り離し、頭部を収納させ、腕も縮める。すると丁度中心から左右に分かれ、脚部が股間から90度、分かれた内側に回転する。

 マッハガンナーはビークル形態に変形すると、中央から2つ折りになる。

変形を終えた3体が合体する!

マッハガンナーがビッグガンナーの上半身に合体し、胸部を形成する。

その左右にグランガンナーが合体して両腕になる。元は足の裏だった部分から巨大な拳が現れ、腕となった脚部の側面にグランバスターが合体する。

両腕を胸の前でクロスさせ、それを解くと胸に光が集約し、その中から装甲版が現れた。

そして胸部から3本の角を額にたたえた頭部が現れた。

胸から光が伸び、それが麗佳に当たると、次の瞬間、麗佳が戦士の胸に取り込まれる。

戦士の目に光が走り、顔をマスクで覆う。

『フォームッ・アァァプッ!!!』

拳に力がみなぎる!3つの心を1つにして誕生した戦士、その名は―――

『重爆合体!トライッ、ガンナアァァァッ!!!!』

 ガッツポーズを取り、新たなる戦士が吼えた。

『なっ・・・また合体しやがったのかっ!』

 先程吹き飛ばされたのから立ち直ってエイジスが言う。ガーネストもまた立ち直っていた。これにより、トライガンナーは

前後から挟まれる形になる、しかし、トライガンナーは不敵に言い放った。

『今までやられたこの恨み、100倍にして返してやるぜ!』

 拳を胸の前でぶつけ合わせ、構えを取るトライガンナー。先に動いたのは、ガーネストだった。

ドォンッ!!

 何の前触れも無くいきなり両肩のキャノン砲を発射させる。完璧な不意打ち。これでは逃れる事は不可能だ。だが―――

『ちぃっ!』

 何と、間一髪のところでこれをかわす。避けた弾は、はるか後方に着弾して爆発した。

〈あ、あぶないわねー!よし、トライガンナー、先にアイツをやっつけるわよ!〉

 トライガンナーと1つになった麗佳が言う。返事を1つ返してガーネストへ駆け出す。ガーネストも第2射を放とうとするが、

『遅せぇんだよっ!!』

 見た目に合わぬ機敏な動きで懐に入り込むと、そのまま強烈なアッパーを繰り出す。それは見事にガーネストの顔面に直撃し、仰け反ったために第2射は虚しく空の彼方へと飛んでいった。

『オラッ!!』

 首を掴んでむりやり引き戻す。さらにボディーへの一撃を放とうとする。しかし、

ジャキッ!

 ガーネストの胸が左右に開くと、中からガトリングガンが現れた。

『何ッ!?しまっ・・・・』

ヴァラララララッ!!

零距離からの掃射。これではひとたまりも無い。爆煙でどんどんその姿が覆われていく。さらにトライガンナーの背後からザルドニクスが突進してきた。

『俺様を忘れてるんじゃねぇのかこのボケがぁっ!!』

 槍を振りかざし、トライガンナーの居た所に狙い違わず一息に突き刺す。手応えは――あった。それと同時にガーネストの掃射も終
わったらしく、煙も晴れていく。

『と、トライガンナーッ!!』

 叫ぶゼクサー。誰もが串刺しになっているトライガンナーを予想した。

『っせーな。叫ばなくても聞こえてるぜ?』

 煙の中からゆっくりとトライガンナーが姿を現す。何と彼は無傷だった。そしてその手に掴まれていた物は・・・・

『が、ガーネストォッ!?』

 そう、ザルドニクスが貫いたのは、僚機であるガーネストだった。見事に脳天から股間まで一突きになっていた。

『返すぜ。そらよ!』

 そう言ってガーネストごとザルドニクスを蹴り飛ばす。その間にガーネストは爆煙に包まれた。

ドゴォォンッ!!

〈よしっ、トライガンナー、これで決めるわよっ!!〉

『了解!お嬢!!』

腕の、脚の、背中の、全身の火器を開放する。そしてその狙いを一点に定める!

『くっそぉ・・・この、この俺様が・・・!』

 流石に密着状態での爆発は防ぎきれずに、フラフラになりながらザルドニクスが立ち上がる。

『フルウェポン・オールロック完了!・・・・往生しろよ!』

〈いっけぇえぇぇぇっ!!〉

『トライガンフレアー、ファイアァァッ!!』

 全身の砲塔が一斉に火を噴く。それは巨大な奔流となってザルドニクスを飲み込み、大爆発した。

ズドオオォォォォンッ!!

『へっ、ミッション・オーバー、ってか?』

 火器を収納し、トライガンナーが呟いた。その瞬間!!

ドンッ!

『おわぁっ!!』

〈きゃあぁぁぁっ!!〉

 煙の中から放たれたエネルギー波が、トライガンナーを吹き飛ばしていた。






『ぐ・・・・・、うぅぅ・・・・。』

 煙の中から、獣の呻き声の様なものが聞こえた。先程の一撃のショックでトライガンナーは麗佳ごと気を失っていた。

「ゼクサー、ま、まさか・・・・」

 翔が怯えた声を出す。今すぐにトライガンナーに、麗佳の所に駆け寄りたかったが、恐怖で身体が言う事を聞かない。それはゼクサーも同じだったが、彼は表情には出さなかった。

『あぁ。奴は・・・まだ倒れてはいない!』

 ゼクサーがゼクスラッシャーを構える。そして煙が晴れたその中から、元は紅白で染まっていた筈のロボットが現れた。

『ハァ、ハァ・・・・ぐ、今のは効いたぜ・・・。』
 やはり受けたダメージはかなり大きかったようだ。装甲も各所がズタボロになっていて、満身創痍という言葉がぴったりだった。

『しゃーねぇ、こ、今回はテメェらの勝ちだ。だがな、憶えてろよ。この屈辱は必ず晴らす・・・。この俺の・・・「熾天剣のエイジス」の名に賭けてなぁっ!!』

 そう叫ぶや否や、ザルドニクスの姿は虚空へと掻き消えた。

『ま、待てっ!!』

 ゼクサーが追おうとするが、すでにその姿は無かった。

「ゼクサー、今の聞いた?ナントカのエイジスって言ってたけど・・・・」

 翔の顔が強張っていた。最後の叫び声が怖かった。純粋に。気を失わなかったのが幸いなくらいに。

『聞いた・・・・。熾天剣のエイジス。よりにもよって奴だったのか・・・・。』

 ゼクサーも呆然と立ち尽くす。これで彼も敵の素性が判った。彼も、表には出さないが内心は恐怖で一杯だった。

「知ってるの?」

 翔が見上げる。彼もまた戦いに身を寄せる以上、知らないままにはさせられなかった。頷き、ゆっくりとゼクサーが話し始める。

『あぁ。ここから遥か離れた惑星星団のある星に、星団最強と言われた騎士団があった。だが、ある日一夜にしてその騎士団は星団ごと消滅した・・・・。ある組織の、一人の男の手によって・・・。』

「そ・・・それが・・・?」

『そうだ。組織の名は、銀河に知らない者はいないとまで言われた「邪星帝国ギルナーグ」。そして星団を消滅させたのが・・・熾天剣のエイジスと呼ばれる男だった・・・・。』

 それっきり黙りこむ翔とゼクサー。翔の手から、今頃バンガードファルコンの調整が完了した事を告げるブザーが鳴り響いていた・・・・・・。





次回予告へ



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                                       あとがき

 麗佳(以下麗):・・・・・・・・・・・。
 
 作者(以下作):・・・・・・・・・・・・・・・。

 麗:で、何か言う事は?

 作:・・・・・・・スマン。ゴメンナサイ。

 麗:はぁ・・・何でこうこのオッサンは書くの遅いかなぁ・・・。

 作:オッサンって・・・俺はまだ19だぜっ!(爽笑)

 麗:ハイハイ。某兄ちゃんのマネはいいから。フゥ。でもまぁいっか。今回は私が主役だったし。

 作:ちょいと当初とは運びが変わってしまったが、一応プロット通りにできたぞ、と。

 麗:運びが変わった?

 作:うみゅ。当初はマッハとグランがコンビネーションやる予定だったんだが、それやると後が続かなくなるから止めたり、
   後は・・・最後の描写かな?ゼクシードに合体させる気があったんだが、それだとトライガンナーが引き立て役になって主役じゃな   くなるのでそれも変えたり、ね。

 麗:とか何とか言って、ホントはそこまで文章力が追いつかなかっただけじゃないの?

 作:(ギギクゥッ!)な、何言ってるんだお前は。ハハハハハ・・・・・。

 麗:・・・・・・・。ま、それはともかく、次回は?

 作:次回は日本を離れてイギリスに行きます!ちなみにゼクサー達はお留守番♪敵が襲ってきたらコワイからね(笑)

 麗:大丈夫なの?あの2体放っておいて

 作:・・・・・ちょっと心配になってきた。ま、まぁでも大丈夫だろう、ウン!大丈夫・・・。

 麗:ホントに大丈夫かしら・・(汗)